ケンポ・ソダジ

ケンポ・ソダジ略歴

Khenpo Sodargye (1962–)

1 略歴

ケンポ・ソダジ

1962年中国四川省カンゼ・チベット族自治州タンゴ県の遊牧民の家庭に生まれる。仏教を信仰する両親のもと、仏教の学修に恵まれた環境で育った。学齢期には学校に通うことが出来ず、毎日放牧をしながら生活を送っていたが、14歳の時に勉強嫌いな弟の代わりに9年制の義務教育を受ける機会を得た。中学卒業後はガンゼ師範学校に入学し、ガンゼ師範学校卒業後は多芒寺のデバ・ケンポのもとで出家し、『クンサン・ラマの教え』を学習した。

1980年代初頭に、中国四川省にある世界最大の佛教大学であるラルン五明仏学院に行き、当時最も傑出した仏教大徳の一人であった法王ジグメ・プンツォク・リンポチェから直接ご指導を受けた。また中国語が堪能であったことから、法王ジグメ・プンツォク・リンポチェよりケンポの学位を授与された後は、中国人仏教徒の指導ラマに任命された。

初の翻訳作品は、1987年に法王ジグメ・プンツォク・リンポチェと共に五台山を巡礼した際に、ケンポ・ツルティム・ロドゥ・リンポチェと共に翻訳を務めたレラブ・リンパのテルマである『縁起除障法』である。また、当時法王ジグメ・プンツォク・リンポチェが中国人仏教徒たちに『37の菩薩の実践』を解説された際には、チベット語から中国語への通訳を務めた。それから今に至るまで、『大円勝慧』、『ラマの心滴』、『三解脱』、『三休息』、『文殊静修ゾクチェン』などの密教典籍から、『入菩薩行論・善説海』、『中観荘厳論釈』、五大論典などの顕教典籍に至るまで、すでに数十冊の翻訳作品を世に送り出しているとともに、それらの解説を行っている。

2010年からは国内外でのツアー講演を開始し、仏教の教えのみならず、生物学、物理学、心理学、社会学など、様々な学問間で知識を交流し合っている。リンポチェはかつて、私が取り出したテルマはこれらの講演の数々であると仰られた。

また、リンポチェは自ら数々の著書を執筆されている。中国語の著書『苦才是人生』、『做才是得到』、『残酷才是青春』などは幅広い仏教徒から好評を受け、様々な言語に翻訳されている。

2 活動

近年は、宗教・道徳・環境保護・平和などをテーマに、数多くのフォーラムや国際会議も主催しており、世界各国の学者と交流を深め、ハーヴァード大学、イェール大学、スタンフォード大学、オックスフォード大学、ケンブリッジ大学、清華大学、北京大学、東京大学など100を超える世界の大学で一般講演を行っている。また、多くの社会団体を訪れ76回の一般講演(企業40回、病院2回、刑務所10回、薬物依存者改正センター2回、禅修道場14回、座談会8回)を行うなど、人々が幸福を高めていくための研究と活動に取り組んでいる。

・講義録

ケンポが行った大学講演の記録は以下の24冊に収容されている。

『1、心のノアの方舟』、『2、仏教の神秘』、『3、心の病気には心の処方箋と医師を』、『4、浮世に浮かぶ浄土』、『5、向き合うべき真実』、『6、愛の軌跡を探す』、『7、心の迷いを断ち切る光』、『8、心の扉をあける鍵』、『9、すべては心から始まる』、『10、無私がもたらす喜び』、『11、永遠の財産』、『12、チベットの秘宝』、『13、ストレスを抱えた人へ』、『14、ただ一つの心のために』、『15、心の善を呼び起こす』、『16、心の灯』、『17、失われた文明を探しに』、『18、黄金よりも尊い智慧』、『19、チベット仏教を探る』、『20、佛教が若者に必要とされている』、『21、複雑な時代の幸福観』、『22、すべては隠されていない』、『23、心の故郷へ帰る』、『24、命を眠らせないで』

3 世界青年仏学研究大会

同師は、2011年から毎年、世界青年佛学研究大会を開催している(計7回)。「前世と後世」「仏教と科学」「持続性のある発展」「社会における私たちの責任」「究極の思いやり」「平和への道」「幸福への道」などをテーマに、これまで、著名大学教授や教員、学生など計4000人が参加している。2016年には、日本から初めて東京大学の教授と学生が参加し、2017年度はさらに多くの日本人が参加した。

4 慈善活動

・智悲学校の設立

2007年から小学校2校と中学校1校を設立し、経済的な問題を抱える数千人の子どもたちに9年の義務教育を受けさせ、勉学や衣食住の環境を提供している。

・学費の援助

2011年からチベットの高校生や大学生を対象に学費の援助を行っており、2016年までに計6117人分の学費を援助している。

・貧困扶助

チベットにて老人ホームや居士林などを設立し、またエイズやエキノコックス症、婦人科疾患、肝臓炎、肺結核などの病気を患っている人を対象に医療費の援助を行っている。

・菜食の提唱

同師は、学院と学会において、長年にわたり菜食中心の生活に切り替えることを推奨している。上記の著書の中でも、多くの生き物の命を守ることを訴えています。

・放生

2012年~2017年までに合理的でかつ体系化した、100日間の放生を5回実施し、多くの生き物の命を救っている。

・ターミナルケアや、亡くなられた方への弔い 

『助念往生儀軌』の編集や「助念チーム」の結成を促したほか、『死者に愛を捧げる』、『仏教で死者を利益する』というタイトルで講演を行い、多くの人に死の正しい向き合い方を提唱している。

・SNS

ケンポの新浪ブログ「索达吉堪布」の購読者が約224万人を突破しました。

チベット語版のブログ「索达吉藏文化」の購読者が12.6万人を突破しました。

WeChatのオフィシャルチャンネル「索达吉堪布」の購読者が37.6万人、総アクセス数が1670万件を突破しました。